【小説】告白(湊かなえ)
「告白」を手に取った理由
これもきっかけはツイッターです!
「おすすめのミステリーを教えてください」というツイートした際に、ある方が紹介してくださったのが「告白」でした。有名な作品なので存在は知っていましたが、読んだことがなく、映画も観たことがなかったのでこの機会にと思って読んでみました。
ミステリーってあんまり読んだことなかったんですけど、面白かった!やっぱり面白い本を知りたければ、本好きの方に教えてもらうのがいちばんですね!
あらすじ
ある中学校で四歳の少女が亡くなった。少女の名前は愛美(まなみ)、その学校で教師として働く森口悠子の娘だった。
学校のプールで亡くなった状態で発見された娘。警察が事故死と断定したこの事件の真相について、森口悠子は終業式の日にクラスの生徒に向けて語り始める…
感想
冒頭から一気に引き込まれ、ページをめくる手が止まらなかった。
牛乳を飲み終わった人から、紙パックを自分の番号のケースに戻して席に着くように。全員飲み終わったようですね。
「終業式の日まで牛乳かよ」なんて声も聞こえましたけどミルクタイムも本日で終了です。お疲れ様でした。「来年はないのか?」ありません。本年度のこのS中学校は『厚生労働省・全国中高生乳製品促進運動』のモデル校に指定されていました。そのため、みんなに毎日、牛乳を200ミリリットルずつ飲んでもらっていたのです。四月の身体測定では、身長の伸び率も骨密度も、同年齢の全国平均を上回っているのではないでしょうか?楽しみですね。「自分たちは実験台か?」確かに、お腹がすこしゆるめだったり牛乳嫌いな子にとっては災難な年だったかもしれません。
なんだこの出だしは?なんの話だ?といった感じですよね。
この小説の特徴はなんといっても物語の構成。通常の小説だと、周囲の状況や背景がナレーション的に説明されつつ、複数の登場人物のセリフが入り混じってくるかたちだと思います。
「告白」では、登場人物がそれぞれの目線から事件について語っていくかたちでひとつの章が成り立っています。
第1章では被害者の母であり中学校の教師である森口から、第2章では森口のクラスの女子生徒から、第3章では加害者の姉から、第4章では少年Bから、第5章では少年Aから事件について語られ、最後の第6章に入っていきます。
ひとつの事件でも、どの立場から見るかによってかなり印象が変わり、事件の真実がすこしずつ見えてきます。
湊かなえさんのデビュー作ということですが、読者を一気に物語の中に引き込む力、最後まで全く飽きさせずに読ませる力がすごいなと思いました。
間違いなく小説として面白いですが、個人的には「崩れる脳を抱きしめて」とか「本日は、お日柄もよく」のような温かい気持ちになる話が好きなので、そういった意味でいうと僕自身の好みとはすこし違うかも。でも湊かなえさんの別の作品ももっと読んでみたくなりました!
今回「告白」の感想を書くにあたり、湊かなえさんについて、すこしだけ調べてみましたが「イヤミス女王」と呼ばれているらしいですね。イヤミスの意味がわからなかったので、これもまた調べてみると「嫌な気分になる後味の悪いミステリー」とのこと。なるほど。笑
「告白」を読んで得たこと・学んだこと
ひとつの事柄もどの立場から見るかによって、かなり印象が変わるということに気付かされます。その事柄に対して、自分の目から見えていることって実は少なくて、物事には自身の目から見えている以外にもいろいろな側面があるということを、頭に置いておく必要があるようにも思いました。
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