【一級建築士】その④設計製図試験1年目(失敗談)

【一級建築士】その④設計製図試験1年目(失敗談)

設計製図試験については総合資格学院にしっかり通って勉強しました。学科は独学でも十分合格を目指せますが、製図については独学という選択肢は無しです!
資格学院等に通わず独学で受かったという人も一人知っていますが、実務で結構な年数設計に携わっている人でしたし、その人でも3回目の挑戦でやっと合格していました。

2000〜3000㎡くらいの建物をたったの6時間半で設計し、手書きで各階平面図・断面図等にまとめ、要点記述(こだわった点のアピールを文章で表現する)まで実施する必要があるので、実務での設計と異なる「設計製図試験用の考え方・計画手法」を学ぶ必要があります。

そのための合理的で効率的な方法が「資格学校にしっかり通う!」です。

試験結果

ランクⅣ

ちなみに
ランクⅠ:知識及び技能を有するもの=一級建築士
ランクⅡ:知識及び技能が不足しているもの=惜しくも不合格
ランクⅢ:知識及び技能が著しく不足しているもの=不合格
ランクⅣ:設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの=全然×
というかんじです。

勉強方法について

実施した勉強方法

総合資格に通い、カリキュラムに沿って勉強しました。
ざっくりいうと下記の流れ。
①とにかく早く図面を描く練習(作図)
 →最終的には2時間半、遅くとも3時間で図面を描き上げることができるようになる必要があります。ただはじめの方は図面をトレースするだけでも平気で6時間〜10時間かかり、初回受験者の方は一度絶望すると思います。
②課題条件を読んで建物を計画する練習(エスキス)
 →①ではある図面を見ながら、同じ図面を早く描く練習をしますが、実際に自分で建物を設計していく練習をします。
③エスキスと作図を通してチャレンジ
 →自分で設計し、自分で図面にまとめていきます。作図する段階になって、ミスに気づいたり、改善案を思い付いたりもするので、ここでの作図はただ写すだけの①の作図よりも時間がかかることが多いです。エスキスでどれだけ精度の高い、手戻りの発生しない設計を行うかが非常に重要です。
④エスキス・要点記述・作図全部通しで実施し、合格ラインを目指す
 →要点記述は重点的には勉強せず、課題を解く中で身につけていくかんじです。結局は時間との勝負になります!

自宅での勉強・作業も基本的には
・総合資格で出された課題
・取り組んだ課題の復習
しかやっていません。

反省点

作図を3時間以内で描けるようになるのが遅すぎた!これがいちばんの反省点です。
勉強方法というよりは下に書くスケジュール管理の部分になるかと思うので、そちらで詳しく書いていきます。

勉強方法としてはこの年実施した内容でも問題はなかったと思っていますが、どれだけ多くの課題をこなすことができるかがポイントになってくるように思いました。

勉強のスケジュールについて

実施した勉強スケジュール

1週間のスケジュールとしては
月〜金曜:出社前の5時半〜6時半の1時間のみ勉強
土曜  :9時〜12時、13時〜17時自宅にて勉強
日曜  :9時〜21時総合資格にて勉強
というかんじでした。

長期的なスケジュールでいうと
7月下旬:学科試験の合格発表、製図試験の課題発表
8月上旬:設計製図試験講座スタート
9月中旬:作図を3時間程度で完了できるようになる
9月下旬:試験時間内になんとか全ての作業を完了できるようになる
10月上旬:苦手な内容の復習等
10月中旬:設計製図試験
というかんじでした。

製図には2年目や3年目の人もいるので、そういった人たちは7月下旬の段階からすでに2時間半で普通に作図を終えます。
初めての製図試験に臨む人は、そういった人たちを追い越して合格を目指す必要があるので、初受験の年は特に気合を入れて勉強する必要があります。

反省点

作図を2時間半(遅くても3時間)以内にこなせるようになるのに時間がかかりすぎた!
この年の反省点はこれに尽きると思います。

講座でははじめの数回を除き、実際に課題にチャレンジしていきます。この課題に対して、どれだけ本番に近い感覚で望めるかが非常に重要だったんだろうなと、試験本番を終えた後に感じました。

例えば、8月中に2時間半で作図を終えられるようになったAさんは、それ以降の日曜日の講座で「自分は○○を忘れやすいから気をつけよう」「エスキスの手順はこうした方が良さそう」「柱と壁の線の濃さに差をつければ見栄えが良くなる」という具体的な反省・成果を得られます。

僕の場合は、9月中旬・下旬くらいでやっと試験時間内に仕上げられるようになったので「試験時間内で仕上げて、その成果物に対して反省・復習する」という経験がAさんの半分以下しか積めていませんでした。

作図スピードを上げるには何度も描いてみるしかなく、非常に時間もかかりますし、しんどいです。初めて描いたときは6〜10時間かかる作業を、2時間半〜3時間に短縮しないといけないので、精神的にも疲れます。

ただこの苦しい時期(8月上旬・中旬の勉強開始直後)にどれだけ頑張るかが初受験では非常に重要なポイントだと思います!

初回受験で学んだこと

勉強方法としては、資格学校にしっかり通うのがいちばんです。

初回受験の場合には、自分の経験と周りの人から聞いた話だと
・総合資格学院
・日建学院
が良さそうかなと思います。
課題も多いし、講座も長時間でハードですが、きっちり丁寧に指導を受けられるので、初回受験には向いているかと思います。
※2回目以降なら費用が抑えられたり、自分のペースで取り組みやすい別の学校・学院でも問題ないと思います。

スケジュール管理の部分でも基本的には、資格学校の指示に従い、カリキュラムに則るかたちで大丈夫です。
ただこれに遅れずついていくのがなかなかしんどいです。
ついていけなかったとしてもなんだかんだ10月中旬の試験本番までには時間内に仕上げられるようになりますが、早い時期に「時間内に仕上げ、本番に近いかたちで課題に取り組めるようになる」というのが重要です!
※資格学校でもしつこく言われることですが。

製図については2回目、TACに通って受験し合格しましたが、それについてはその⑤にまとめていきます。