【ビジネス書】フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか(堀内 都喜子)

【ビジネス書】フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか(堀内 都喜子)

有給消化100%、在宅勤務3割、1人あたりのGDPは日本の1.25倍、そして国連の幸福度ランキング3年連続世界1位のフィンランド。そんなフィンランド人の働き方、休み方を記した1冊。




著者の堀内さんは、大学時代にフィンランドに5年間留学し、その後もフィンランド企業やフィンランド大使館で働いている方です。本書の中には著者がフィンランドで過ごして感じたことや、フィンランド人の友人の格言が数多く紹介されており、最後まで読むとフィンランド人の働き方だけでなく、国民性や国の制度までよく知ることができます。

ここからは、本書で印象に残った部分を切り取って紹介していきます。

フィンランド人は決して仕事が嫌いなわけではない!むしろその逆!


午後4時に仕事が終わるというタイトルに、「いいなぁ…」と思った私だが、本書を読んで、彼らは決して仕事嫌いなわけではなく、むしろとてもモチベーションが高いことが分かった。

仕事は好きだし、責任感を持って仕事をきちんとしたいが、就業時間内に終わらせて、それ以外の時間も大切にしたい。

p112


ライフワークバランスへの価値観が日本よりずっとしっかりしており、このマインドこそがGDPが日本より高い所以なのだ。
日本ではまだまだ“定時で帰る=仕事へのモチベーションが低い”とか“大変な仕事をやっていない”と認識されてしまうことがある。本書の中にあったフィンランド人の言葉が、これこそが正論!と感じたのでぜひ紹介したい。

大変な仕事を簡単そうにやっていたり、効率よくこなし、サーっと帰るのが格好良く、できる大人の証拠。

p 50


日本でも少しずつ、仕事の効率化とかワークライフバランスに対する考え方が浸透してきたと思うが、フィンランドの働き方はそれが実践されている。もちろん国民性の違いはあるが、一歩先ゆく先輩のように感じた。
驚いたのは、接待が朝食だったり、ランチだったり、サウナで行われることが多いというところ!サウナはフィンランド特有の文化として、夜に会食が行われることは少ないようだ。職場の飲み会も年に数回しか無く、歓迎会などもランチだったり、コーヒーブレイクの時間にケーキを食べてコーヒーを飲んでおしまい!となったりするらしい。終業後は「家族や趣味の時間」が徹底されている。といより、もはや“常識”で驚くほどさっぱりしていた。

終業後は趣味に家庭に勉強に。そしてバケーションは1ヶ月!

午後4時に仕事が終わったら、持て余してしまう人もいるのではなかろうか?と思った私だが、終業後も仕事同様モチベーションが高い。豊かな自然を満喫したり、スポーツをしたり、家族と過ごしてしっかりリフレッシュしている。一方で、生涯学習や学び直しの制度も充実していて、仕事終わりに勉強したり、修士や博士を取る人も多い。
仕事終わりってこんなに活動的に過ごせるのか!意外とストイックじゃん!と、仕事終わりはヘロヘロになりがちな私は思ってしまったが、こんな風に過ごせたら確かに幸せかも…と憧れる。
そして夏のバケーションは約1ヶ月。仕事から完全に離れて、自然の中で過ごしたり、家のリフォームをしたりする。そしてバケーションが終わると、ものすごい集中力で仕事をこなすらしい。休むから頑張れる、休むのは生産性のために必須という価値観があってこそだ。正月休みが終わる2日前くらいから憂鬱になってしまう私も、「しっかり休んで、また頑張る」のマインドを持ちたい!と心に響いた(笑)

フィンランド流の「働くこと、休むこと」を知り、仕事への価値観が変わる一冊。

働くことにも休むことにも貪欲なフィンランド人の価値観。フラットな人間関係や組織体制。ここには書ききれないくらいフィンランドの働き方が本書には詰まっている。個人的にはフィンランド人の働き方に大賛成!でした。
著者が日本人なので、日本では普通こうだよね、でもフィンランドではこうなんだよ!と一つ一つ紹介してくれて、楽しみながら(驚きながら)読み進めることができます。もちろん世界幸福度1位だからといって、全てが完璧では無く、本書の中にはここは日本の方が良い。と書かれているところもありますが、フィンランド流の働き方を知って私自身の「働き方・休み方」への価値観が変わりました。
日本でも少しずつ、ライフワークバランスの改善や仕事の効率化が進んでますが、一歩先ゆくフィンランドを知ることで学ぶことは多いと思います。読みやすい本なのでぜひ、手にとってみてください。