【小説】流浪の月(凪良ゆう)
本屋大賞をとった「流浪の月」を読みました。
この本を手にとった理由
僕がこの本を読もうと思ったのは2020年本屋大賞受賞作品だったからです。本を買うときは何も決めないまま本屋に行って、ふらふらといろんな本を見て回り、見た目(カバーのデザイン)と帯に書かれている内容からピンときたものを買うことが多いのですが、今回は本屋大賞作品を読んでみようということでネットで購入しました。
いつも気にしている帯に書いてあるフレーズでいうと
「せっかくの善意を、わたしは捨てていく。そんなものでは、わたしはかけらも救われない」
「それでも文、わたしはあなたのそばにいたい-。」
などでいつもの買い方なら、買わなかった気がします。あまりピンとこなかったというか…。でも読んでみると面白かったですね。さすが本屋大賞。この帯のフレーズも読み終わってから見ると、この話の印象的な部分を示していてなるほどと思いました。
あらすじ
年齢もすこし離れていて、性格も全く違う不思議な関係の二人の話です。初めて二人があったとき、更紗は小学生、文は大学生。(更紗の読み方は「さらさ」で女の子、文は「ふみ」で男です)個性的で魅力的な更紗と文なのですが、本人たちにしかわからない事情があり、周囲の人からは理解されにくく、その中でも苦悩しながらなんとか前に進む話。考えさせられる部分も多いです。
愛でもないし、友情ともすこし違う、でも温かくて微笑ましくて応援したくなる二人の生活が気になって次々とページをめくってしまう話です。
感想
最初は不思議な二人の関係を穏やかな気持ちで楽しく読んでいたのですが、読み進めていくにつれ、二人の苦悩と普通に生きることの難しさを感じ、考えさせられ、すこしもやっとしてきます。そんな二人がどのようにして苦難を乗り越えるのか、幸せを手にするのか、二人にとっての幸せは何なのか、色々気になってどんどん読み進めてしまい、いざ読み終わってみるとなんとなく心地よく、暖かい気分に包まれます。
全然性格も見た目も違うし、周りからみると不思議な関係だけど、見ていると暖かい気持ちになる感じ。自由な更紗はアメリカンショートヘア、穏やかで優しい文はラブラドールレトリーバーっぽいなーと思いながら読みました。
印象的なシーンを抜粋して、この本の良さを紹介したいんですが、特別このシーンが良かった!って場面はなかったです。ただ全体を通して振り返ると感動というか、心に残るものはあります。ジブリ映画でいうと「天空の城ラピュタ」や「もののけ姫」ではなく、「コクリコ坂から」って感じ。
うまく表現できませんが、とりあえずおすすめです。人と関わるのってややこしいなと思うけど、それと同じくらい好きな人と一緒にいるって幸せなことだな、いいなとも思えます。
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